2009年10月21日(水)17:41

EUはリスボン条約問題でチェコに歩み寄る

AFP

リスボン条約批准をめぐる綱引きで、欧州連合は適用除外を求めるチェコの希望を検討することになった。議長国を務めるスウェーデンのフレデリク・ラインフェルト首相は、EUではチェコの要求に対する解決策が検討されているとストックホルムで語った。一方、欧州議会ではチェコのヴァーツラフ・クラウス大統領に厳しい批判の声が上がった。

ラインフェルト首相は、私は例外規定の問題が解決され次第、チェコが条約を批准するものと確信していると述べた。首相によれば、EU各国首脳は来週木曜日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議でチェコの例外規定の希望について協議するという。

チェコ議会はリスボン条約の批准をすでに承認している。しかしクラウス大統領は今なお署名を拒み、EU改革の発効を阻止している。先週末、欧州統合懐疑派のクラウス大統領は近々条約に署名するとはじめて示唆した。しかし大統領はいわゆるベネシュ布告に関して、リスボン条約の一部を成すEU基本権憲章の適用除外を要求している。

現在のチェコ領では第二次大戦後ベネシュ布告に基づき、ズデーテンドイツ人とハンガリー系住民が財産を剥奪され、放逐されている。チェコは例外規定を設けることにより、こうした故郷放逐者の財産返還要求や補償要求を退けたい考えである。

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長はストラスブールの欧州議会で、チェコ国民の民意を尊重するようクラウス大統領に呼び掛けた。またオーストリア出身のハンネス・スヴォボダ欧州議員(社会民主党)は、例外条項を求めるクラウス大統領の要求を「受け容れられない」と批判した。ベネシュ布告の問題はチェコのEU加盟前にすでに審査が終わっているのだ。EU各国首相はクラウス大統領に対して「はっきりとものを言う」必要がある、とスヴォボダ議員は述べた。欧州議会緑の党のレベッカ・ハルムス共同代表は、クラウス大統領の姿勢を「政治的な厚かましさ」と評し、大統領は敗者としての潔さに欠け、チェコの法律すら守っていないと批判した。

原題:EU geht im Ringen um Lissabon-Vertrag auf Tschechien zu




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